連載:福祉現場のマネジメントを考える 組織と人づくり

連載:組織と人づくり

働きかけの対象は?

~組織開発とはなにか1~

2015年01月28日

組織開発に対する関心の高まり
 『渚の風』第 2 号で、障害者支援施設・三恵園を舞台に、三恵園職員との協働による、「三恵園の未来に向けての組織と人づくりプロジェクト」が稼働したことをお伝えしました。このプロジェクトは、 「どんな三恵園にしたいのか/ありたいのか」「どのような三恵園職員になりたいのか/ありたいのか」といったことを全職員で考え、組織と働く人双方に変化を起こすことを目指しています。
 その方法として用いるのが「組織開発」という手法です。「組織開発という言葉をはじめて聞いた」という読者がほとんどでしょう。そして組織開発は、社会福祉実践現場や社会福祉研究の世界でほぼ知られていない、といってよいでしょう。今後数回にわたって、組織開発について、紹介していきます。
 組織開発(Organization Development)は、通称 OD と呼ばれています。このことから推測されるように、その主な起源はアメリカです。組織開発の代表的な研究者・実践者である南山大学の中村氏によれば、1950年代前後頃から心理学をベースに形成されはじめ、アメリカの企業活動に取り入れられ、経営にも影響を与えてきました。そして、日本では1960年代前後頃から取り入れられ、1970年代に隆盛を迎えます。1980 年代には関心が失われましたが、ODブームの再来といわれるほど、近年関心を集めていると言います。とりわけ、企業に導入され、コンサルタント会社が企業を顧客として組織開発を行うことが多いようです。また企業の中には、組織開発を推進する部署を自社内に立ち上げるところもあるようです。この場合、社内の人たちが、内部実践者として、同じ社内の人たちに対し、組織開発を行うことになります。では組織開発とは、一体何なのでしょうか?

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著者プロフィール
安田美予子(やすだ・みよこ)
関西学院大学人間福祉学部教授.。これまで、保健医療や障害領域にける利用者支援をソーシャルワークに基づき研究してきた。 現在は、社会福祉施設・事業所における職場の人間関係、リーダーシップ、チームワーク、人間関係、組織文化など組織の人的プロセスを対象に組織開発や組織行動論などに基づいて、実践・研究を行っている。
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