連載きずな
産経新聞西日本朝刊で連載してきた「きずな―三恵園日記」は、令和元年6月から「きずなNEWS」として模様替えし、新たにスタートします。
事業団は、産経新聞社の社会貢献を目指して昭和19(1944)年に設立されました。社会福祉法人として、支援を必要とする人々のために幅広い活動をする「公益事業」と、障害のある人々を直接支援する「社会福祉事業」を2本柱としています。
平成28(2016)年4月の改正社会福祉法の施行で社会福祉法人には地域における公益活動が義務付けられ、それまでより一層「地域福祉」「地域共生」を強力に推し進めるよう求められました。
これを受け、きずなNEWSでは事業団が運営する施設の日常の表情を報告するだけでなく、施設と地域との交流、事業団の社会公益活動についても紹介していきます。
平成22年6月からスタートした「きずな―三恵園日記」は23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」として刊行され、26年1月には過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」として刊行されました。どちらも福祉現場の”ちょっといい話”が満載です。ご希望の方は事業団本部までお問い合わせください。
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2014年08月19日
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【きずな「三恵園」日記】「風」が運んだ新しい仕事
障害者の就労を継続的に支援する能勢町内の作業所「すみれ工房」では毎日、午前8時半になると、近隣地域から25人の利用者が〝出勤〟する。 「作業所の仕事なんて、...
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2014年08月05日
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【きずな「三恵園」日記】助手席でみつけたやりがい
マリーゴールドやインパチェンス、ポーチュラカが猛暑の中、たくましく花を咲かせている。豊能町役場吉川支所の玄関を飾る花の鉢植えは、町立「たんぽぽの家」の利用者が6月に設置した。
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2014年07月29日
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【きずな「三恵園」日記】地域で仕事をするということ
どの人にも、それぞれの特別な「力」がある。池田市の障害者通所支援施設「くすのき学園」では、近隣の住宅を中心に、チラシ配布作業をしている。そこには「作業を通して、さまざまな利用者の力を見つけたい。地域の...
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2014年07月15日
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【きずな「三恵園」日記】「渚の風」が誕生した
台風8号に直撃される・・・。10日午後3時、ヒヤヒヤしながらワゴン車で、産経新聞印刷大淀センター(大阪市北区)に着いた。 生まれて初めての印刷工場。開始の合図とともに、地響きのような機械音が...
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2014年07月01日
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【きずな「三恵園」日記】授業で学んだこと
ラーメン、焼肉、自転車。こんな単語が書かれた小さな紙を、みんなで白い紙に貼り付けていく。 「私もラーメン好き」「どんな店に行くの?」。話しているのは、大学...
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2014年06月17日
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【きずな「三恵園」日記】登るで・・・想定を超えた力
6月1日。日曜の昼前、グループホームを運営する大里荘(能勢町)の事務所前から6台の車列が出発した。市街地より気温が3、4度は涼しい山あいのまちでも、30度を超えていた。 「暑いなあ。大野山...
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2014年06月03日
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【きずな「三恵園」日記】石田さんを変えたもの
阪急池田駅(池田市)から歩いて15分。池田市医師会館の裏手に「ワークスペースさつき」がある。平成24年4月にオープンした障害者の就労支援事業所だ。 「今春から3年目に入りました。オープン時の...
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2014年05月20日
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【きずな 「三恵園」日記】スギナ茶「人の輪」生む
イグサのような・・・。そんなふうに感じる人もいるスギナ茶の香りが、今、なごみ苑(能勢町)に漂っている。 なごみ苑は、地域のグループホームなどで暮らす人が、日中活動の場として利用している生...
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2014年05月06日
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【きずな 「三恵園」日記】ヘルマンハープとの出会い
日曜日の朝、救護施設三恵園(能勢町)の地域交流室に心地よい音色が響いている。三恵園や地域のグループホームで暮らす利用者が職員と一緒に活動している「ワン・ツー・スリー楽団」の練習日だ。
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2014年04月29日
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【きずな「三恵園」日記】「ゆめ」で会いましょう
山あいの町にも、桜前線が足をとめていた。4月9日昼過ぎ。上品なご婦人が、18カ所でグループホームを運営する事業所「大里荘」(能勢町今西)を訪ねてきた。 「グループホームで暮らしていた方だ...
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2014年04月15日
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【きずな「三恵園」日記】花を通して寄り添う支援
今月4日、能勢町の救護施設「三恵園」。玄関につながる坂道で、オレンジ色のマリーゴールドの手入れをする斎藤太郎さんの姿があった。 「きょうも来てくれている・・・」 玄関そばにある職員室...
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2014年04月01日
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【きずな「三恵園」日記】利用者さんが「職員」に
少しうつむき加減。でも、目は輝いている。3月中旬のお昼。障害者支援施設「池田市立くすのき学園」が運営する手打ちうどんの店「くすのき庵」(池田市)2階の一室。山本雅人さん(34)は、学園の職員採用面接試験...
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2014年03月26日
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【きずな「三恵園」日記】山本さんの応援歌
障害者支援施設「三恵園」(池田市)の入所利用者、山本篤司さん(26)。とにかく、いつも堂々とした雰囲気をかもしだしている。 今月16日の日曜日。その山本さんが、かわいらしくなった。 「どんぐりころころ、ドンブリコ♪」。関西...
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2014年03月12日
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【きずな「三恵園」日記】広がっていく人の輪と夢
「就職おめでとう」。兵庫県川西市内のイタリアンレストラン。関西学院大学4回生の木村真子さんに、後輩の橋間千佳さんが声をかけた。今春の自治体への就職が決まった木村さんのお祝い会の一場面だ。 木村さんは3回生の時、救護施設三恵園(能...
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2014年02月26日
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【きずな「三恵園」日記】夢に向かって
動物園の飼育員になってキリンの世話をしたい-。 障害者通所支援施設「くすのき学園」(池田市)に通う寺園弘啓(ひろのり)さ ん(22)の夢だ。寺園さんは動物が大好きで、動物図鑑に載っている情報をノートに書き写してオリジナルの動物図...
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2014年02月12日
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【きずな「三恵園」日記】初めての引っ越し
生活介護事業所「こすもす」(池田市)に通う山本晃寛(あきひろ)さん(40)は、言葉や物事の理解はできるが、自分から行動をすることは苦手だ。「歯磨きをしましょう」と声をかけられたら洗面所に行くが、自分で磨くことはできない。自分の意に沿わ...
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2014年01月29日
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【きずな「三恵園」日記】思いと人つなぐ「かけはし」
昨年11月、障害者支援施設「三恵園」(池田市)に「元気工房かけはし」が誕生した。手作りのあたたかさを感じる-。オープニングセレモニーは、まさにそんな場所だった。 三恵園では、どんなに重度の障害があっても、すべての利用者が日中の活...
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2014年01月15日
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【きずな「三恵園」日記】優ちゃんの友達
ドン、ドン、ドドドン。能勢町の町立劇場「淨るりシアター」の一室から太鼓の音が力強く鳴り響く。町が主催した和太鼓講座をきっかけに結成された和太鼓グループ「楽鼓(らっこ)」が練習しているのだ。8歳から80歳代までのメンバーが入り交じってた...
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2013年12月18日
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【きずな「三恵園」日記】人から人へ情報の花が咲く
「えっ、私の絵が選ばれたの」。救護三恵園(能勢町)の利用者、平田和美さん(61)は知らせを聞いてパッと顔をほころばせた。 平田さんが描いた絵は、かわいらしいミツバチのイラスト。産経新聞厚生文化事業団の広報活動を担う「ブランディン...
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2013年12月04日
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【きずな「三恵園」日記】お馬さん、乗りに行くねん
「わたし、お馬さん乗りに行くねん」 先月(11月)中旬。「大阪のてっぺん」能勢町に点在する18のグループホームのあちこちで、こんな声が聞かれた。ホームで暮らす利用者さんは、京都府船井郡にある「丹波ホースパーク」への「乗馬外出」を...