施設運営
大里荘とは
■地域の中で
産経新聞厚生文化事業団の拠点施設や事業所のある大阪府能勢町では、知的な障害・精神障害のある人たちが、4~5人の少人数グループで協力し合い、普通の住宅で普通に暮らしている人たちが、80人近くもいます。障害のある人たちも「地域で自立して、自分らしく生活しよう」と、事業団が平成のはじめからグループホームの開設を進めてきました。
その結果、事業団の運営するホームの数は平成28年4月現在、能勢町で17ヶ所(定員76人)、池田市内で6か所(定員19人)となりました。各ホームでは、近隣に住む世話人さんたちが食事など生活全般のお世話をし、なごみ苑内にある「大里荘」の事務所に常駐している支援職員がバックアップしています。
そして平日の日中は、地域にある一般の事業所や事業団の運営する就労継続(B型)支援事業所「すみれ工房」や生活介護事業所「なごみ苑」などに通い、仕事やリハビリ訓練、創作活動を行っています。又、土日の余暇の充実を図り、本人達の生活の幅を広げてグループホームでの生活を長く維持していけるよう支援しています。
障害者たちが地域で安心、安全に暮らしていくためには、障害者を理解してくれる人たちがもっともっと増えてほしいと思っています。そうした地域の福祉力のアップを支援して行く仕事も私たち、福祉施設で働くものの役割だと思います。
たくさんの人に、グループホームでいきいきと暮らす人たちの生活を見ていただき、障害のある人も周囲の人たちが少しお手伝いすれば、地域で一緒に暮らしていけるのだと、実感していただければ、障害のある人たちやその家族も、暮らしやすく安心できるのではないかと思います。
さいわい、緑が多く人情豊かな能勢町には、障害者を理解し支援していただける多くの方たちがおられます。毎年1か所のグループホームを新設していき、将来は施設が要らなくなる社会を実現したい―というのが私たちの目標です。
■グループホームのあゆみ
欧米の経験から日本でも「地域移行」という考えがようやく認知されてきた平成元年、事業団では「早急にグループホームをスタートさせる。将来は、施設(救護・更生の両三恵園)に在籍している100人の利用者のうち50人の地域移行を実現する」と宣言。
平成2年4月、事業指定を受けるためのモデルケースとして、最初のグループホームを開設し、5人の利用者が共同生活をはじめました。
翌平成3年、本格的な運営に移行しようとしたものの、賃貸用の空き家がみつかりません。そんな時、幹部職員の1人がグループホーム用に新築した賃貸住宅を提供してくれ、平成4年4月、正式に第1号のグループホーム「恵ホーム」がスタートしました。
その後、上記の表のようにホームを増設して行きました。知的障害者入所更生施設(現・障害者支援施設)三恵園が池田市に移転した平成18年10月には、池田市伏尾台の府営住宅内に事業団にとって能勢町以外では初めてのグループホーム「伏尾台ホーム」を開設しました。
さらに、地域で暮らす利用者の高齢化や障害の重度化に対応し、効果的なケアを実施できる大型のグループホーム「あやめホーム」を、平成21年6月1日に開設。事業団のグループホーム第1号だった「恵ホーム」や「柏原荘」を廃止して、高齢者、重度障害者ら7人が安全、安心な環境で暮らしています。
こうして、28年4月現在、事業団の運営するグループホームは能勢町と池田市内で計23カ所となり、90人以上のひとたちの地域生活を支えています。
池田市の「伏尾台ホーム」は、池田三恵園のバックアップにより事業所運営を行っています。
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