三つのめぐみ

三つのめぐみ

2013年01月24日

 「三つのめぐみ」が誕生した年次については、資料が残っていません。ただ、当時の職員らの話から、「1983(昭和58)年秋」が有力です。
 法人が財団法人から社会福祉法人になり、大阪府堺市に三恵園の前身の「養気園」を開設したのが1953(昭和28)年9月。初の施設運営でしたが、それからちょうど30年の節目の年が1983年になります。
 当時の三恵園の園長(故人)が「30周年記念行事(感謝とふれあいのひろば)を機に、園の歌をつくろう」と提案して、産声をあげたそうです。
 曲名は、法人の理念と園の名称を踏まえて「三つのめぐみ」とし、歌詞は、職員に公募しました。その結果、職員の西口敏江さん(1979年=昭和54年採用)の作品が選ばれました。作曲は、利用者さんの音楽活動をピアノ伴奏などで支えていた職員の長谷部直美さん(1982年=昭和57年採用)が担当しました。
 西口さんは「法人の理念の天と地と人の恵みを表現しました。福祉の仕事は、人の恵みがないとやっていけません。能勢の自然に加えて、能勢の人々の恵みを意識しました」。ひらめくように、歌詞が浮かんだそうです。
 長谷部さんは「利用者さんに覚えてもらいたい、という思いを第一に作曲しました。早くなくて、ゆっくり歌える覚えやすい歌。4拍子にしたのも、そんな思いからです」。実は長谷部さんは、今の曲とは別の2つの歌詞にも曲をつけていました。「三つのめぐみ」には、幻の2曲があったのでした。
 さて、堺市の養気園は16年の歩みを続けましたが、建物が老朽化。1969(昭和44)年7月に、能勢町大里の「月峯寺」から寺領6615平方メートルの土地の分譲を受けて新築移転しました。この移転を機に、園の名称も「三恵園」と改めたのです。
1993(平成5)年ごろに発行された法人の冊子には、「三恵園」の名称について、次のように綴られています。
 <能勢の山なみに囲まれたすばらしい大自然のもと、地元の人々の温かい人情に恵まれた施設であることを象徴したものです>
作詞の西口さんも作曲の長谷部さんも、私たちの法人在職は約10年でしたが、今も福祉の第一線で活躍されています。そして、「三つのめぐみ」は、利用者さんのお誕生会などで、利用者さんや職員によって歌い継がれています。
 「あのころが懐かしいですね。歌い継がれていると聞き、とてもうれしく思います」。西口さんと長谷部さんの声が、大きくはずみました。

<園歌 三つのめぐみ>
作詞 西口敏江
作曲 長谷部直美

1 三つのめぐみ
それは大空
果てしなくどこまでも広がる
希望への道

2 三つのめぐみ
それは大地
力づよくつつんでくれる
やさしさへの道

3 三つのめぐみ
それはふれあい
ともに手をとり歩いてゆこう
幸せへの道

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