連載きずな

 産経新聞西日本朝刊で連載してきた「きずな―三恵園日記」は、令和元年6月から「きずなNEWS」として模様替えし、新たにスタートします。

 事業団は、産経新聞社の社会貢献を目指して昭和19(1944)年に設立されました。社会福祉法人として、支援を必要とする人々のために幅広い活動をする「公益事業」と、障害のある人々を直接支援する「社会福祉事業」を2本柱としています。

 平成28(2016)年4月の改正社会福祉法の施行で社会福祉法人には地域における公益活動が義務付けられ、それまでより一層「地域福祉」「地域共生」を強力に推し進めるよう求められました。

 これを受け、きずなNEWSでは事業団が運営する施設の日常の表情を報告するだけでなく、施設と地域との交流、事業団の社会公益活動についても紹介していきます。

 平成22年6月からスタートした「きずな―三恵園日記」は23年10月、それまでの約1年半にわたる連載記事をまとめた「きずな-三恵園日記」として刊行され、26年1月には過去の記事から118の物語をテーマごとに編集した「障害者支援の1200日 ありがとう」として刊行されました。どちらも福祉現場の”ちょっといい話”が満載です。ご希望の方は事業団本部までお問い合わせください。

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【きずな「三恵園」日記】みんなで体操、いきいきと

2017年06月20日

「次は筋力運動です。手首に重りを着けてください」。能勢町が推奨する「いきいき百歳体操」のDVDの映像に従って、同町の生活介護事業所「なごみ苑」の利用者が体を動かす。健康と体力維持のために取り入れてから1年近くがたつが、歩行速度が上がるなど成果が出ている。事業所では「利用者さんが元気でいきいきとした生活が送れるよう体操を続けていきたい」としている。

■測定で数値が改善
いきいき百歳体操は、手首や足首に軽い重りを着けて行う。イスに座わり、準備体操と筋力運動、整理体操の3つをこなす。なごみ苑では昨年8月から毎週火曜日、施設内のフロアで実施。DVDを見ながら約30分間、一連の体操に取り組んでいる。
体操には利用者約40人の大半が参加する。平均年齢は69歳。年々高齢化が進み、運動機能向上などを目指して採用した。体操を始めるにあたっては町職員も駆けつけ、体操が正しく実施できるよう4回にわたって指導。定期的に体力測定も行っている。最近の測定結果をみると、取り入れた頃に比べ、利用者の歩くスピードが速くなったり、握力も強くなったりするなど、数値が改善している。

■介護予防につなげる
事業所では、町職員の依頼を受けて体操に関するアンケートを利用者に行った。それによると、「歩きやすくなった」「イスからの立ち上がりがスムーズにできる」「筋力がついた。足腰が丈夫になった」「足は以前より上げにくいが、みんなとするのが楽しい」などと回答。多くの利用者が体操の継続を望んでいた。88歳の最高齢の女性も参加しているが、利用者の身の回りの手助けをする世話人たちは「とても元気になった」と口をそろえる。
「利用者さんは第二の家族」と話す榎並美菜子管理者。「気になるのは、やはり利用者さんの健康。みんなが集まって楽しく体操することで、介護予防につなげれば」と期待している。
                                           (三宅統二)

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