産経市民の社会福祉賞
  第37回(平成23年度)「産経市民の社会福祉賞」授賞式開催

       4団体に30万円を贈る    11月24日

                   ●ひきこもりの若者の居場所づくり       (大阪市)
                   ●中途視覚障害者の社会復帰をサポート     (大阪市)
                   ●留学生の里親グループ             (大阪市)
                   ●障害児・者の教育、就労を支援        (京都府亀岡市)
                   ●手話での通訳や手話劇を展開         (和歌山県橋本市)

 社会的ハンディを持つ人を支え、地域福祉に貢献している団体・個人を顕彰する第37回「産経市民の社会福祉賞」の授賞式が11月24日、大阪市北区の新阪急ホテルで開かれ、20代のひきこもりに焦点をあて社会参加の場を提供、支援している「くつろぎステーションつばさ」(大阪市北区、江頭雅史代表)など5団体に産経新聞厚生文化事業団の横田憲一郎理事長から表彰状と副賞30万円が贈られた。式には約100人が出席。選考委員の大阪本町法律事務所の比嘉邦子・弁護士が選考経過を報告、受賞者の活動報告も行われた。式典後の交流・交歓会には歴代の受賞も出席、近況報告や情報交換を行う輪が次々にできていた。

受賞者・団体名 代表者名(所在地) 業      績
くつろぎステーション つばさ 江頭雅史さん
(大阪市北区)
平成13年、「児童支援派遣ステーションつばさ」として団体設立。19年に名称変更。社会的ひきこもりの若者を対象に「くつろぎの場」を提供、様々な人と共にあらゆる体験や出会いの機会を得る「社会参加の場」を10年にわたり提供してきた。セルフヘルプグループ活動だけでなく、月2回を「一般公開日」として当事者以外の参加を呼び掛け、様々な体験をすることによって現代社会が抱える問題を社会に訴え、解決へ献身的な活動を続けている。会員20人。
きんきビジョンサポート 竹田幸代さん
(大阪市東淀川区)
平成15年、「医療とリハビリの架け橋に」を合言葉に糖尿病網膜症や緑内障などにより中途視覚障害となった人の社会復帰・復職をめざし、当事者と近畿圈の眼科医・歩行訓練士・ボランティアなど様々な分野の有志が連携。最先端の医療情報を伝えながら心身両面でサポート活動を行う。また広く社会にロービジョンケアヘの理解を訴え、厳しい社会の隙間を埋める活動を続けている。会員制はとらずスタッフら総勢30人。
留学生さとおやの会 西村貞−さん
(大阪市中央区)
大阪商工会議所「留学生里親制度」の事業を継承し、平成15年に発足。祖国を離れて日本に学ぶ留学生に、家族の一員のように迎えてくれる日本人家族を里親として紹介。プライバシーを尊重しつつ留学生活を精神的にサポートしている。対面の会・交流遠足・新年交流会などのイベントを催し、留学生と里親との距離を縮めるだけでなく地域住民との交流も深まるようにして、日本で出会った家族との絆が日本と外国をつなぐ架け橋になっている。 個人会員42人。法人会員21団体。賛助会員10団体。
亀岡市障害児者を守る協議会 山内節子さん
(京都府亀岡市)
昭和45年、特別支援学校に通う児童の保護者や教諭を中心にした市民有志により結成。41年にわたり障害児者の教育・就労環境の拡充に取り組んでいる。丹波養護学校や共同作業所の開校・開設実現の原動力にもなった。また障害児者の学童保育・スポーツクラブなどを積極的に展開。とくに和太鼓クラブは地域との大きな交流を担っている。平成22年、市総合福祉センターに活動拠点を持つことになり、福祉活動を通して地域活性化に尽力、社会貢献に努めている。会員数は300家族。
手話サークル「なでしこ」 三浦千幸さん
(和歌山県橋本市)
高野口手話教室を前身として手話通訳者指導が始まりで、平成15年に現在の手話サークル「なでしこ]が発足した。障害のあるなしを意識することな<、対等に語り合い共に学ぶことを信条とし、手話を学ぶだけでなく福祉や社会の情報交換、コミュニケーションの場であるとの認識で、通訳ボランティアヽ手話劇発表・ろうあ者大会などに参加している。特に「手話は見る言葉である」と手作りの手話劇に力を入れ、聴覚障害者に対する理解の促進に努めている。会員30人。

 国外活動も授賞の視野に
選考結果報告 


大阪本町法律事務
 
比嘉邦子弁護士
 今年から推薦の対象を国内だけでなく国外活動に広げたことで18団体2個人、計20件の応募がありました。いずれも素晴らしい活動をされており、選考は難しいものでしたが選考委員会で協議の末、5団体を選出しました。
 「くつろぎステーションつばさは」は人間関係の希薄な現代社会の中で、ひきこもりの青年に社会参加の場を広げている点。「きんきビジョンサポート」は、復職を見据えた専門家とのネットワークによる中途視覚障害者支援。「留学生さとおやの会」は祖国を離れて日本で学ぶ留学生を家族の一員のように支援しておられる点。「亀岡市障害児者を守る協議会」は41年にわたって展開されてきた障害児者サポート。手話サークル「なでしこ」は手話は見る言葉≠ニのモットーで、手作り手話劇や紙芝居にも力を入れておられる点が評価されました。各団体の今後のさらなる活動を期待しています。 


活動報告する受賞者ら
くつろぎステーションつばさ
   江頭雅史代表
きんきビジョンサポート
竹田幸代代表

 表彰式に続いて、大阪教育大学の新崎国広准教授をコーディネーターに行われた活動報告会では、各団体の代表から活動の目標や喜び、課題などが話された。

 江頭 ぼく自身がかつて引きこもりで不登校の当事者でした。いまはソーシャルワーカーとして「つばさ」とかかわっていますが、当事者としての経験から自分にできるのはナビゲートだけだと思っています。ハンドルを握るのはメンバー自身。彼らがアクセルを踏み、安全運転していけるよう応援する|それが基本形です。メンバーひとり一人ができることはたくさんあります。それが重なれば大きくなる。そういう横のパイプを広げ、ともに自信をつけていきたい。

 竹田 中途視覚障害者がリハビリを受けるまでに、どれぐらいの時間がかかるかご存じですか。
 わたしは中学のとき「将来、全盲に近い状態になる可能性がある。準備しておきなさい」と医師にいわれましたが、病院で何かしてくれるわけでもなく、福祉につないでもらうこともなく20数年その状態が続きました。当会は、そうした状況を打開しなければと考えた眼科医や医療機器メーカーの人などが立ち上げ、当事者がともに運営しています。自分には関係ないと思っている方に、こんなことができると伝えたい。
 西村 当会の活動は、基本的にホームステイではなく「ホームビジット」(家庭訪問)です。留学生に家に来てもらって食事をしながら話をし、日本の生活様式を見てもらう。同時に、彼らにも祖国の料理を作ってもらう。一緒に買い物に行き、台所に立つ。それで
留学生さとおやの会 
西村貞一代表

亀岡市障害児者を守る会
 山内節子代表

彼らもお客さんではなく打ち解けてくる。
 会主催のレクリエーションでは親%ッ士が悩みを話しあい、お互いが預かる子供たち≠ヨのアドバイスの幅を広げています。
 山内 わたしたちは、知的障害と重度重複障害の子供の親の会です。41年前、亀岡に養護学校の建設を求めてスタートしその後、養護学校卒業後の受け皿として共同作業所を立ち上げるなど、子供たちの成長に合わせて活動を進めてきました。
 今年で18回目となった「新成人を祝う会」は、医療的ケアが必要な人や自閉の人も心おきなく来ることのできる成人式として毎年10数名が参加し、行政関係者にも祝っていただいています。 悩みは世代交代がなかなかできないことです。
 三浦 手話劇のきかっけは、わたしたちの住む高野口出身の60代のろうのメンバーが、地元民ならだれもが知っている親子の哀話「石童丸物語」を知らないと言ったことでした。ろうの人が地元の伝承を知らないことにショックを受け手話劇を作りました。そこから手話紙芝居に広がり、最近は聞えない人の生活を紙芝居にして、子供たちに知ってもらう活動に取り組んでいます。今年は聞えない人の戦争体験を紙芝居にしました。どんな障害があっても、自分たちの町は自分たちで作っていきたい。

手話サークル「なでしこ」
 三浦千幸
代表
コーディネーター
新崎国広・准教授
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