産経市民の社会福祉賞
  第36回(平成22年度)「産経市民の社会福祉賞」授賞式開催

       4団体に30万円 個人賞1人に20万円を贈る    11月17日

                   ●多胎児などの子育て支援           (大阪府)
                   ●活動歴35年の点訳グループ         (兵庫県)
                   ●不登校の高校生や子育てに悩む母親を支援   (京都府)
                   ●「ベーチェット病」患者・家族の自助グループ (大阪市)
                   ●幼児、障害者への朗読 個人賞の山本さん   (和歌山県)

 障害者や児童、高齢者ら社会的ハンディをもつ人を支え、地域福祉に貢献してきた団体・個人を顕彰する第36回(平成22年度)「産経市民の社会福祉賞」の授賞式が11月17日、大阪市北区の新阪急ホテルで開かれ、大阪府吹田市の「子育てCoCoステーション」(岡田真由美代表)はじめ4団体1個人に産経新聞厚生文化事業団の横田憲一郎理事長から表彰状と副賞30万円(個人20万円)が贈られました。

また、200回にわたりチャリティーコンサートを開催してきた帝国ホテル大阪(大阪市)が特別表彰されました。式には約100人が出席。選考委員の黒川昭登・皇學館大学名誉教授が選考経過を報告、続いて受賞者の活動報告が行われました。式典後の交流・交歓会には歴代の受賞者も出席し、それぞれ現在の活動を報告しあうなど、和やかな時間が流れました。

   第36回産経市民の社会福祉賞受賞者業績概要  (平成22年11月) 敬称略
受賞者・団体名 代表者氏名 業         績
所在地
 子育てCoCo
  ステーション
岡田 真由美 平成16年、地域で安心できる居場所を作るため、吹田市内で保育ボランティアの活動をしていた人たちが集まって結成。同年5月、JR吹田駅前商店街の空き店舗を利用した「みんなのおうち」が誕生。人権にこだわり、親のしんどさや「助けて」が言える親と子の居場所づくりと一時保育を実施している。平成17年8月、千里山に移転して活動の輪を広げている。
            
活動歴6年
大阪府吹田市
 ベーチェット病
  友の会大阪府支部
米山  哮 昭和50年、国の難病指定を受けているベーチェット病患者らが集まり、病気に関する正しい知識や患者間の情報交換、交流を目的に友の会大阪府支部を結成。難病対策の法制化や研究会への参加、機関紙の発行など患者の不安によりそい、患者自身が主体的に闘病する活動への支援を展開。全国に同様の支部が23カ所あり、大阪府支部が全国の活動を牽引している。
            
活動歴35年
大阪市福島区
 西脇点訳友の会 福井 敬朗 昭和50年、北播磨地域で開かれた「点訳奉仕員養成講習会」の修了生が集まり「北播点訳友の会」を発足。昭和63年、近隣地区などでも新たな点訳グループが立ち上がってきたことをきっかけに同会に名称変更した。地域の刊行物など年間220タイトルの点訳をするほか、点字ボランティアの育成(年18回開催)や小中高に出向いての福祉学習、出前用点字メニューの作成や日帰りバスツアーを行うなど、視覚障害者の社会的自立と啓発に寄与している。
            
活動歴35年
兵庫県西脇市
 ほっこりスペース
   ・あい
平尾 裕子 平成11年頃から「東宇治登校拒否・不登校を考える会」として活動を行っていたが、家庭的な雰囲気の場の必要性を痛感し、平成13年6月、一軒家を借りて「ほっこりスペース・あい」をオープン。主に高校生らの居場所づくりや就労支援、学習サポートを行い、青年同士が強制されずに達成感や自己肯定感を育てる支援をしてきた。京都府の不登校ネットワークにも所属し他地域とも連携を深めている。      活動歴9年
京都府宇治市
 山本 美智子 和歌山県岩出市 結婚後、子育てをしながら視覚障害者のために本の朗読と録音テープ作りを始める。平成3年、岩出市に転居したことをきっかけにボランティアグループ「声」に参加。平成12年4月、朗読講座を開催。講座修了者らと翌年の4月にボランティアグループ「やよい会」を立ち上げる。以後、幼児検診時の絵本の読み聞かせやおはなし会の実施、市報や市議会誌を情報弱者に声で届けるなど地域福祉をになっている。 活動歴20年

 地域に根差した活動を評価

             選考経過報告 黒川昭登氏(皇學館大学名誉教授)

 今回は近畿2府4県から13団体・2個人の計15件の応募があり、選考委員会で検討した結果、4団体1個人を選出しました。「子育てCoCoステーション」は、駅前の誰もが行きやすい場所に親と子の居場所を設け、一時保育などにも活動を広げている点。「ほっこりスペース・あい」は、不登校の高校生や引きこもりの青年たちのために学習・就労サポートを図っている点。「西脇点訳友の会」は、個別ニーズに対応した点訳などの視覚障害者支援を35年にわたり継続している点。山本美智子さんは朗読ボランティアとして自治体の広報紙を吹き込むなど、地域福祉を担われている点。「ベーチェット病友の会大阪府支部」は、難病研究に協力するなどの専門性の高い活動が評価されました。

 また、特別表彰の帝国ホテルは200回にわたりチャリティーコンサートを開催、福祉、文化両面で貢献されています。いずれも地域に根ざした献身的な活動であり、今後のさらなる活躍を期待しています。

ほっこりスペース・あい
  平尾裕子代表
CoCoステーション
岡田真由美代表
 受賞者たちによる活動報告会は、コーディネーターの新崎国広・大阪教育大学准教授の司会で行われ、それぞれ活動への思いや抱える課題などを語り合いました。

 新崎さん 受賞おめでとうございます。当事者に寄り添う、きめ細かい活動を展開されているみなさんに、思いと課題をうかがいます。

 岡本さん(「子育てCoCoステーション」初代代表) しんどいときに安心できる“実家”のような場所を作りたいと「子育て一段落」の7人で立ち上げ、いまスタッフは26人。「ここなら自分も何かできるかな」と、利用者からスタッフになってくれたお母さんたちが担い手です。ですから、子供たちも含めた全員にいただいた賞だと思っています。課題はお金、場所、人すべてです。

コーディネーター
新崎国広准教授
CoCoステーション
岡本祥子さん
 米山さん 私自身も患者ですが、ベーチェット病は難病といわれるだけに正確な情報は少ない。患者、家族ともに病気を正しく知り、独りで悩む患者をなくし、励まし合って闘病意欲を高め、国や自治体にお願いに行ったり、署名を集めたりしながら療養環境をよくすることを目標に活動しています。人、金、場所がないのは、当会も同じです。

 福井さん 目的は点訳を通じて点字読者の日常生活の支援。具体的には点字による情報の提供、点字の普及・啓発、点字読者の交流を行っています。情報提供にはまずアンケートを取り、要望の高かった地域ニュースの点訳に力を入れています。点訳用のパソコンもどんどん発達していますが、助成金だけではとても買えません。お金の問題は、当会でも大きな課題です。
ベーチェット病
  友の会

米山さん
西脇点訳友の会
福井敬朗さん

 平本さん(ほっこりスペース・あい相談員) 活動の三本柱は「屋内屋外活動」「ジョブトレーニング」「学習支援」。不登校から引きこもりになり、外に出られない青年たちは自己肯定感がとても低い。その自己肯定感を育て、人とかかわる喜びを見つけながら、青年らしく生きていく力を身につけてもらうことが目標です。地域で経験が広がるような、ジョブトレーニングの受け入れ先が欲しい。

 山本さん 市の広報紙「広報いわで」を月1回、「市議会だより」を3カ月に1回、約20人で朗読し、編集し、音声データをダビングしています。6月から市がネット配信してくれているので、全国どこでも聞いていただけます。録音は当初カセットテープでしたが、いまはパソコンです。パソコンの吹き込み操作がだれでもできるようにしたい。

 新崎さん ボランティア活動は、社会的制度のはざまや矛盾に対して、当事者や実践者が「おかしいことは、おかしい」と問うていくところに、とても大きな役割、重みがあることを5組のみなさんに聞かせていただいた気がします。

ほっこりスペース
平本喜美代さん

山本美智子さん
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